HOME > 革の豆辞典 > 皮革製品の手入れ方法 > 靴

皮革製品の手入れ方法(靴)

一般的な靴の手入れ

皮革製品の手入れ方法(靴)

靴は、手入れ次第である程度美しく保つことができます。ただ、履いた後、そのままにしておくと型崩れ、カビ、シミなどの原因となり、早く劣化させることになります。保管する時の手入れも靴を長持ちさせるための重要な要素です。

保管

靴をしまう前に必ず陰干しをして乾燥させてから、クリーナーとクリームで十分に手入れをすることです。汚れはカビの原因になりますから注意が必要です。特にブーツのように冬期に履いて、梅雨期、夏期を通して長期に保管する場合は、カビが発生しやすい高温多湿期には、時々風にあてて、簡単に手入れすることで、カビの発生を防ぐことができます。

新しいうちから靴クリームを

靴が新しいうちに、その素材にあったクリームを塗っておくと、革に油分の補給が出来ると同時に表面にワックスの薄い保護膜ができ、キズや汚れを防ぐ働きをします。それがあとのお手入れを容易にし、靴を美しく保つための第一歩となります。

靴クリームの種類と性質

一般的に靴クリームは、靴の汚れ落とし。靴をしなやかに保つ。靴甲革の色合いを調整する。ツヤをもたせる。防水性を付与する。などのために使用します。

現在市販されている靴クリームの種類は次の通りです。

  • 乳化性: ビンまたはチューブなどに入っていて、ペ一スト状か液状。
  • 油性: 缶に入っている。半固形。
  • エアゾール: 缶に入っている。霧状または泡沫状。

わが国ではビン、チューブの乳化性クリームが最も一般的で、靴クリームの75%以上を占め、液体クリーム、油性缶入リクリームはこれに続きます。また最近ではエアゾールが機能、性能面での特徴を生かした防水剤、汚れとり兼用ツヤ出し剤として多くの伸びを示しています。今後、素材の多様化に伴い、多品種、専用化がすすむことが予想されるジャンルでもあります。それぞれの特徴をまとめてみます。

乳化性クリーム

乳化性クリームはワックス、油、水の3成分を乳化剤で混合乳化したものです。乳化の型によって、ワックスと、油のまわりを水で包んだ水中油型(O/W)と、逆の型の油中水型(W/O)とに分けられます。前者は化粧品のバニシングクリーム、後者はコールドクリームに類似しています。一般的には水中油型(O/W)が普及していますが、状態的にはクリームが水に馴染み易く、クリームの表面が光って見えることで判断できます。ツヤ、柔軟保革性の他に、油溶性染料、水溶性染料、顔料レーキなどが併用できるために着色性に優れ、さらに自由に調色が可能なため、年々変化する流行色にも対応でき、商品価値に優れているのが特徴です。乳化性のなかでも液状のタイプは、戦後急速に発達したクリームで、塗って乾かすだけでツヤの出る、いわゆるインスタントシャインのクリームです。これはワックスと水の2成分を液状乳化したクリームで、着色には油溶性の染料を主体に使っています。このタイプの高級良質のクリームには、ヒビ割れの原因となるような樹脂は添加されておらず、ツヤ出し性、耐屈曲性に優れたワックスをべ一スに、皮革柔軟剤を加えて、従来の間題点を改善した使い心地の良い商品に成長しています。その他の液体クリームには専用品が多く、例えばエナメル用、ブーツ用、メッシュ用、スエ−ド用などのクリーナーがあります。

油性クリーム

乳化性と大きく異なる点は、ワックスと油の2成分から成り、水が入っていないことです。そのため、乳化性クリームより防水性の点で優れています。また、成分面では油脂をベースに、ワックスと組み合わせた保革油タイプも含まれます。着色成分には、油溶性の染料、または顔料を使い調色しますが、色数が少なく、スタンダードな色調のものが主体となります。

エアゾールのタイプ

エアゾールの機能面を利用して開発されました。霧状と泡沫状の2種類があり、一般的に前者は油性タイプ、後者は乳化タイプが多いようです。靴のツヤ出しの他、防水剤、消臭剤などを混入したものもあり、使用対象をスエードに限ったものもあります。

クリーナー(汚れ落とし)

新しいうちは美しかった靴も、ホコリや古いクリームなどで、徐々に汚れてきます。靴の汚れを落とすには、クリーナーが必要ですが、革の種類によってクリーナーを使い分けることも大変重要です。間違った使い方をすると、靴の性能を損ないますので、革にあったクリーナーを選ぶことが必要です。クリーナーにはチューブ入り、乳液状、エアゾール、固形(ラバー)などのタイプがあり、種類には油性、乳化性(中性、アルカリ性)があり、ワックスが併用されていて、ツヤ出しを兼ねたものもあります。特に、アニリン調の水染めの革や起毛革製品(スエード、べロア調)には、必ず専用のクリーナーを使う必要があります。また、クリームやクリーナーには、防腐剤や防カビ剤が添加されているのが普通です。また革の種類、例えばエナメル革やスエ−ド革など、それぞれ手入れ法が微妙に違ってきますから、購入の際、必ず確認しましょう。

雨の日には・・・

革は水分を含むと、革の繊維が硬くなったり、色落ち、シミなどの原因になりやすいので、防水剤を使用しておくと安心です。濡れてしまった時は、シューズキーパーや新聞紙で型を整えてから、風通しの良い日陰で乾燥(濡れた革は直射日光や直火などの高熱には非常に弱い)し、その後乳化性のクリームを十分に塗り込んで、ツヤと栄養分の補給をすると良いでしょう。

その他にも、普段からホコリや汚れをこまめに取り除くようにしたり、毎日同じ物を履くのではなく、時々休養させるようにしましょう。